2024.6.22 基礎知識

ロジスティクス経営士とは?物流に関する高難易度の資格について解説

この記事では、ロジスティクス経営士という物流に関する高難易度の資格について詳しく解説しています。ロジスティクス経営士の概要や資格取得のメリット、試験の詳細、そして取得後のキャリアステップまで網羅的にご紹介。キャリアアップや給与向上を目指す方、物流業界で高い評価を得たい方にとって非常に有益な情報です。加えて、ロジスティクス経営士と他の物流資格との比較も行い、それぞれの特徴と活かし方も明示しますので、この記事を読み進めることで最適な資格選びができるでしょう。

ロジスティクス経営士とは

資格の定義と役割

ロジスティクス経営士は、物流・サプライチェーンマネジメントの高度な知識と技術を持つ専門家です。この資格は、物流オペレーションの効率化、コスト削減、安全性確保など、物流業務全般の最適化を図るための知識と実務能力を認定するものです。取得者は、物流企業だけでなく、メーカーや販売業者など、多岐にわたる業界で活躍しています。

資格の歴史と背景

ロジスティクス経営士の資格は、物流業界がますます複雑化し、専門性の高い知識が必要となった背景から生まれました。1980年代に始まり、物流技術の進化とともに内容も深化してきました。この資格は、物流分野における専門家を養成し、業界の標準化と品質向上に寄与しています。

ロジスティクス経営士資格取得のメリット

キャリアアップ

ロジスティクス経営士の資格を取得することで、物流業界でのキャリアアップが期待できます。資格取得者は、物流管理の専門知識を持つため、管理職や専門職への昇進がスムーズに行われます。

  • 物流管理のスペシャリストとして認められる
  • 物流関連のプロジェクトリーダーとして活躍できる
  • 海外勤務や異業種への転職が有利になる

キャリアアップの具体例として、物流会社の部門長や大手企業の物流担当役員など、重要なポジションへの昇進が見込まれます。また、委託業者との交渉や国際物流のプロジェクトマネージャーとしても期待されます。

給与と待遇の向上

資格を持つことで、給与や待遇が向上することも期待できます。ロジスティクス経営士は高度な専門知識を持つため、その価値が企業側にも認識されています。

企業に対するアピールポイント

ロジスティクス経営士の資格を持つことで、企業に対して大きなアピールポイントとなります。この資格は物流に関する高い専門性を証明するものであり、下記のような価値があります。

  • 物流プロセスの最適化ができる
  • コストの削減や効率化を推進できる
  • 国際物流にも対応できる知識を有する

例えば、実際に企業が古い物流システムを最新のロジスティクス技術に更新する際に、ロジスティクス経営士の知識が重要な役割を果たすことがあります。さらには、海外市場への進出を検討している企業にとって、国際物流の知識は大きな強みとなります。

ロジスティクス経営士資格試験の概要

カリキュラム概要

ロジスティクスの経営幹部に不可欠な専門知識や管理手法、財務分析等について学びます。

基本講座

第1単元ロジスティクスと経営戦略
第2単元ロジスティクスと経営管理
第3単元ロジスティクスにおける企業間コラボレーション
第4単元企業経営とGRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)
第5単元 組織の設計
第6単元 ロジスティクスとSDGs
第7単元グローバリゼーション
第8単元ロジスティクスの戦略立案 【ケーススタディ】

グループ・ミーティング

・指導委員によるグループ指導やメンバー間の質疑応答を通じて、自社のロジスティクスに関する業務内容、問題点、原因、課題等を整理し、その解決策について検討します。

ケーススタディ

・仮想企業のロジスティクス改革の企画立案するという実践的なケースに取り組みます。
・物流・ロジスティクス関連部門の責任者として、経営の視点から課題を捉え、解決策を立案し、リーダーシップを発揮して施策を実現できる実務に即した能力を身につけます。
・ケーススタディの意義や進め方、解き方等を例題のケースを通じて、担当委員から指導や助言を受けながら段階的に学びます。

受講対象者

・ロジスティクス関連の実務経験が5年程度ある、部長職クラスまたは部長職候補、ならびに幹部候補の方。
・物流技術管理士または国際物流管理士の資格取得後、実務を3年以上経験した幹部候補の方。

ロジスティクス経営士の実務での活かし方

資格取得後は、以下のように実務で幅広く活用できます。

物流管理業務

  • 効率的な在庫管理: 在庫の適正化や管理手法の導入により、在庫過剰や欠品を防ぎます。これにより、無駄なコストの削減や、キャッシュフローの改善が期待されます。
  • 配送スケジュールの最適化: 配送ルートやタイミングを見直すことで、燃料費や人件費の削減、配送時間の短縮を図ることができます。この作業には、最新の物流システムやソフトウェアを活用することが多いです。
  • 輸配送コスト削減の提案: 効率的な輸配送方法の提案により、コストを削減し、企業の競争力を高めることができます。例えば、共同配送や契約見直しなどの手法があります。

これらの業務を通じて、企業の物流コストを削減し、業務効率を向上させることが期待されます。

コンサルティング業務

  • 物流プロセスの診断と改善提案: 現行の物流プロセスを徹底的に分析し、ボトルネックや改善ポイントを明らかにします。具体的な改善提案として、プロセスの簡素化や自動化が挙げられます。
  • 物流拠点の最適化: 地理的なデータや需要データを元に、物流拠点の立地を最適化します。これにより、配送距離や時間の削減が可能です。
  • 新技術やシステムの導入支援: 最新の物流システムや技術の導入をサポートします。例えば、AIを活用した需要予測システムや、IoT技術を用いたトラッキングシステムなどがあります。

物流業界の知識と経験を活かし、他企業の物流課題を解決するコンサルタントとして活動することが出来ます。さらにこれによりクライアント企業の競争力を向上させることが可能です。

ロジスティクス経営士と他の物流資格の比較

物流技術管理士との違い

ロジスティクス経営士と物流技術管理士はどちらも物流分野で重要な役割を果たしますが、その役割や対象分野に違いがあります。

  • ロジスティクス経営士: この資格は主に物流業務の管理・戦略立案に焦点を当てています。物流コストの削減、業務効率の改善、顧客満足度の向上など、経営視点でのロジスティクス戦略を実践することを目的としています。
  • 物流技術管理士: この資格は主に物流現場での技術的な管理や改善を目的としています。物流センターの運営、機械設備の管理、安全対策の実施など、現場作業の効率性や安全性を重視します。

国際物流管理士との違い

ロジスティクス経営士と国際物流管理士は名前が似ていますが、その内容には違いがあります。

  • ロジスティクス経営士: 前述の通り、経営視点から物流全体の最適化を目指すための資格です。戦略的な計画立案と実施、物流コストの最適化、サプライチェーン全体の管理が求められます。
  • 国際物流管理士: 国を跨ぐ調達・生産・物流といったサプライチェーンの構築・改善について企画・立案・実践・見直しが求められます。

それぞれの特徴と活かし方

ロジスティクス経営士、物流技術管理士、物流管理士はそれぞれの資格に特有の特徴と活かし方があります。

資格名特徴活かし方
ロジスティクス経営士物流全体の経営戦略を策定・実施物流企業の経営層、コンサルタントとして活躍
物流技術管理士物流現場の技術的な管理・改善物流センター管理者、技術指導者として活躍
国際物流管理士国際的な物流業務のマネジメント海外でのサプライチェーンの構築・改善ができる人材として活躍

まとめ

今回の記事では、ロジスティクス経営士資格についてその定義、取得のメリット、試験概要、合格後のステップ、そして他の物流資格との比較を詳しく解説しました。ロジスティクス経営士はキャリアアップや給与の向上を目指す方にとって非常に有用な資格であり、企業に対しても強力なアピールポイントとなります。また、資格取得後の実務での活かし方についても述べましたので、資格の取得を検討している方には非常に参考になる情報が満載です。物流に関わるすべての方にとって、ロジスティクス経営士資格は大きな価値を持つことが理解できるでしょう。